人影の消えた漁港を、ふらりふらりと歩く。 潮の香りを纏い、波の音に包まれる。 ふと足元の感覚を忘れ、自分の存在を忘れる。
前を歩けばそこに座ってくださいと誘われているようで、 近づいてみるとおまえの居場所ではないと突き放される。
彼は消え、 しかし私はまだ生きている。
夕日に照らされる雲を見て、 ふっと一つ息を吐く。
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